倍率62倍！ 夏の風物詩「心霊タクシーツアー」が今年も開催、三和交通に聞く異色ツアーの裏側（1/7 ページ）

この記事を作っている最中、ちょっとした怖いできごとがいくつか起きました。画像を編集しようとするとソフトが何度もフリーズしたり、挙動がおかしくなったり……。

[たけしな竜美，ねとらぼ]

　「三和交通・タクシーで行く　心霊スポット巡礼ツアー」をご存知でしょうか。これは「運転手さんが水先案内人となり、タクシーで複数の心霊スポットを巡る」というもので、関東のタクシー・ハイヤー会社「三和交通」が2015年に始めた大人気ツアーです。

• 参考記事：【体験レポ】古戦場の血染めの滝、取材班を襲う異常現象……　心霊・廃墟ガチ勢が行く三和交通「心霊スポット巡礼ツアー」（2020年）

　心霊スポット巡礼ツアーは2023年も開催が決定しており、6月22日に予告サイトがオープン、7月1日から応募受付を開始しています。応募締切日は7月15日、当選発表日は7月20日というスケジュールです。

　エリアは2022年と同じく「横浜」「多魔（多摩）」「不死身野（ふじみ野）」「不蟲（府中）」の4つ。横浜に2つのコースがあり、合計5つが用意されています。

　三和交通では心霊スポット巡礼ツアー以外にも、横浜のディープなスポットを案内してくれる「裏横浜探索ツアー」や、大人の社会科見学ツアーと銘打たれた「三和ミステリー調査班」など、ツアーサービスを複数用意しています。

　特に三和ミステリー調査班の「東京怪談名所ツアー」は、東京の怪談名所を巡る、いわば「怖いけどあまり怖くない、歴史と文化の勉強になる心霊スポット巡礼ツアー」とも言える内容です。また、ドライバーが要人警護のSP風の接客をしてくれる「SP風タクシー」、忍者のドライバーが来てくれる「忍者でタクシー」などのユニークなサービスも用意されています。

　これらユニークな企画やサービスのひとつである「三和交通・心霊スポット巡礼ツアー」ですが、ほかの企画と比べれば異質な内容です、一体どのような経緯で成り立ったのでしょうか。今では恐ろしく高い抽選倍率でも有名な、夏の風物詩のひとつともなったこのツアーについて、三和交通の担当者さんに詳しくお話を伺いました。

「心霊スポット巡礼ツアー」を開催している「三和交通」へのインタビュー

――本日はお忙しいなかありがとうございます、よろしくお願いします。

三和交通担当者（以下・三和交通）　こちらこそありがとうございます、よろしくお願いします。

――まずは「心霊スポットをタクシーで巡る」というユニークなツアーについて、こちらはどのような経緯で誕生したのでしょうか。

三和交通　きっかけとしては、まったく関係のないものなのですが……2013年に始めた「タートルタクシー」です。これは「加速や減速などをゆるやかに、ゆっくりで丁寧な運転を行う」というサービスなのですが、「お客様からの“急いでいない”という意思を、できるだけ簡単に伝えていただくにはどうすればいいのか」となりまして。

　最終的には後部座席に設置したボタンを押していただくことで、ドライバーへ伝えられるようにしました。

――おもしろい試みですね。

三和交通　このタートルタクシーの取り組みは、ありがたいことにさまざまなメディアに取り上げられまして。「おもしろい企画を実施すれば弊社の知名度が上がり、ゆくゆくはタクシー業界のイメージ向上や若手人材採用の促進にも繋がるのではないか」と考えました。そこで2013年からさまざまな企画の立ち上げを始めまして、心霊タクシーツアーはその一環として開催しているものです。